はじめに

メンタルトレーナーの宇井野です。

突然ですが、問題です。

「1日の生活のなかで、今やっていることと違うことを考えている時間はどれくらいあるでしょうか？」

あなたが自宅で過ごしているときや、仕事中、出先など「今やっていること以外」のことをどれくらい考えているか、少し想像してみましょう。

会議中にメールの返信のことを考えていたり、上司からの一言がずっと気になったりなど、その日の体調や気分によっても、違うことを考えたりすることがあると思います。

答えは、ハーバード大学のある調査結果によると「平均47%」です。 今やっていること以外は47%、今やっていることは53%なので、約半分です。 皆さんはこのデータを見て、どのような印象を持つでしょうか。 私が初めて知ったときは「え、約半分もあるのか」と驚きました。

では、

• 「今やっていることと違うことを考えてしまう時間を減らせる」
• 「今やっていることに集中している時間を増やせる」

としたら、日々の過ごし方はどう変わるでしょうか？

• 「イラっとした気持ちや、思考がぐるぐるする状態を引きずらなくなる」
• 「休日や休憩中に仕事のことが気にならなくなる」
• 「朝起きてから夜寝るまでスマホを触りっぱなしにならない」
• 「一つの仕事に集中し、ミスなく効率的に行うことができる」
• 「会議や会話がスムーズになり、良好な人間関係を築ける」
• 「寝る前や休息時に、自分なりにくつろぐことができる」
• 「今の一瞬一瞬を大切にすることができる」

もちろん、今やっていることと違うことを考えてしまうのはダメではありませんし、ずっと集中し続けるのも難しいものです。

マインドフルネスとは？

マインドフルネスを一言でいうと「今ここに気づいている状態」です。 これは、「今に集中していること」と同じ意味合いです。

「気持ち」とは、辞書で調べると「ある物事に接したときに生じる心の状態」とあります。 現実に起こっていなくても、過去の記憶や未来への想像を思い浮かべるたびに、喜び、怒り、悲しみ、楽しみ、恐れ、不安などの気持ちが心の中に浮かんでくるものです。 「気持ち」は水面にしずくが落ちると発生する波のようなもので、乱れたり荒れたりして整っていないことのほうが多いかもしれません。

さて、その気持ちや心の状態を左右するのは何でしょうか。 それは、これから学んでいく「マインドフルネス」と「ストレス」が大きく関係しています。

ストレスとは何か？

あなたは「ストレス」という言葉にどのような印象を持っていますか？

「ストレスがたまった」「ストレスでへこんだ」など、日常的に使われる言葉ですが、あらためて「ストレス」とは何でしょうか。

定義を調べると「外部からの刺激を受けたときに身体の内部に生じる反応」とあります。 医学や心理学では、外部からの刺激を「ストレス要因（ストレッサー）」、心身に生じる反応を「ストレス反応」と分類しており、これらをあわせて「ストレス」と呼んでいます。

例えば、ストレス要因には、

• 上司や同僚との人間関係
• 長時間の仕事
• ハラスメントなどの仕事の要因
• 家族や友人との関係
• 経済的な不安や心配
• 子育て・介護の負担

などがあり、ストレス反応としては、

• 頭痛、胃痛、肩・首まわりの緊張などの身体の反応
• 不安や心配、気分の落ち込み、怒りやイライラなどの心の反応
• 生活リズムの乱れ、過食・拒食、食欲低下などの行動の反応

が挙げられます。

まとめ

マインドフルネスは、今この瞬間に意識を向けることで、心の乱れを整え、ストレスと上手に向き合う手助けとなります。

私たちは日々、多くのことを考え、無意識のうちにストレスを抱えていますが、自分の思考や気持ちに気づくことで、適切に対処できるようになります。

マインドフルネスを習慣にすることで、集中力が高まり、仕事の効率や人間関係の質が向上し、穏やかな心の状態を保つことができます。

おわりに

日常でマルチタスクになりがちな方が多いと思いますが、たまには「今ここに気づいている状態」を作ることが、良い影響を与えるかもしれません。

精神的にも身体的にも穏やかで健康的に過ごすためのヒントになれば幸いです。