敗戦から自信をつくる:メンタルトレーナーが教える「再試合」のすすめ

こんにちは。メンタルトレーナーの宇井野です。

スポーツの指導をしていると、どこか自信なさげにプレーする選手を目にすることがあります。
おそらく多くの方が「もっと自信を持ってプレーしよう!」といった声かけの場面を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

けれど、「自信を持て」と言われてすぐに持てるものではありませんよね。
今回は、そんな“自信を失いかけているとき”にこそ大切にしてほしい、試合後の心の扱い方について、メンタルトレーナーの視点からお話しします。


試合直後の“敗因探し”が自信を奪う?

スポーツに限らず、試合に負けたあとというのは「なぜ負けたのか」と敗因を探したくなるものです。
特に試合直後は、感情がまだ整理されていない状態なので、どうしても「これも悪かった」「あれもダメだった」と否定的に物事を捉えてしまいます。

実はこの思考の癖が、自信の喪失につながっているケースがとても多いのです。

たとえば、積極的だったプレーが「無謀な行動だった」と見えてきたり、丁寧に守ったつもりのプレーが「臆病だった」と感じられてしまう。
このように、どんどんネガティブなフィルターがかかってしまい、自分のプレーを否定していく状態になります。


その“反省”は、本当に次につながっていますか?

敗戦直後に行う振り返りの多くは、抽象的な表現に終始します。

  • 「気持ちが入っていなかった」
  • 「集中できていなかった」
  • 「いつもなら打てた球を打ち損じた」

こうした言葉はよく耳にしますが、果たしてそれが次の試合に役立つでしょうか?
多くの場合、それはただの“ダメ出し”であり、前向きな改善策にはなっていないのです。


「直後」は感情が先行する時間。振り返るなら“良かったところ”を。

感情が揺れている試合直後は、冷静な分析が難しいもの。
だからこそ、そのタイミングで「何が悪かったか」を探すのではなく、むしろ**「何が良かったか」を探すこと**をおすすめします。

この視点は、

  • 試合の記憶をポジティブに残す
  • 自信の喪失を防ぐ
  • どんな状況でもプラスを見つける思考を育てる
    といった効果があります。

反省することが悪いのではありません。
タイミングと視点を少し変えるだけで、同じ出来事が“前向きな経験”へと変わっていくのです。


減点法ではなく、加点法で振り返る

多くの選手やチームでは、試合後に「何ができなかったか」「なぜ負けたか」を減点法で振り返ることが習慣になっています。
ですが、このやり方ではどうしても「自信を削っていく作業」になりがちです。

それよりも、「あのプレーはよかった」「自分の意図どおりにできた」といった、マルを探す振り返りを取り入れてみてください。
うまくいかなかったことに目を向けるのではなく、「あと少しでできた」「こうすればできそう」というポイントを見つける。
それだけでも、気持ちは大きく変わります。


頭の中で“再試合”してみる

「それでも、反省会ではミスの話をしないといけない…」
そんな選手もいるでしょう。
部活動などでは、試合直後に長時間の反省会が行われることもあります。

そんなときにおすすめしたいのが、頭の中で再試合をしてみることです。

たとえば、ケアレスミスや判断ミスのような「次はできそう」なプレーに対しては、
「次はこうする」「この動きをこう修正する」とイメージの中でプレーし直してみてください。

すると、自分の中で「あ、これならできる」「本当はやれたんだ」と感じられるようになっていきます。


「バツ」ばかり見ていませんか?サンカクをマルに変えていこう

ミスしたプレー=バツ、として終わらせていませんか?

実は多くのミスは、「ちょっとの工夫や理解」で改善できるものです。
それならば、そのミスを「サンカク(もう少しでマル)」と捉えてみてください。

  • サンカクのプレーには、マルにする方法を考える
  • その方法が思いつかなければ、指導者に相談する
  • 方法がわかれば、イメージの中でマルにしてしまう

この考え方は、自信を保つための大きな武器になります。


「もし」を使って、前向きに想像する力を育てよう

「スポーツに“もし”はない」と言われますが、イメージの中ではどんどん“もし”を使ってください。

「もし、あのプレーができていたら…」
「もし、あの場面でこう動けていたら…」

そう考えることで、「あと少しで勝てた」「今度はやれそう」と、前向きな気持ちが生まれてきます。
想像の中での成功体験は、次の試合に向かうモチベーションや自信へとつながります。


おわりに:視点を変えるだけで、自信は守れる

試合の振り返りをするとき、バツだらけの答え合わせをしているような気持ちになることがあります。
でも、その多くは「マルにできるサンカク」だったとしたら…?
見方が変わるだけで、感じ方も、モチベーションも、そして自信も変わってくるのです。

ちょっとした考え方の工夫で、自信を育てることは十分に可能です。
もし、この記事があなたやあなたの選手にとって、少しでもヒントになれば嬉しいです。

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