”プラス”も”マイナス”も力になるーイメージトレーニングの本当の使い方ー

導入|「イメトレ」って、結局どうやるの?

メンタルトレーナーの宇井野です。

よく耳にする「イメトレ」って実際にどうやるのか。

皆さんはご存知でしょうか?

大事な試合前日の練習終了後のミーティングで、コーチなどが

「今日はいいイメージをして寝るように」

と言っていたりするやつです。

とても抽象的でもあるので、実際にどうやればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。


イメトレの正体|実は「トレーニング」

そもそもイメトレとはイメージトレーニングの略で、要するにトレーニングです。

コラム別号で「パブロフの犬」というお話をしました。

イメトレも繰り返し行うものであるということを、改めてここでも言っておきます。

いきなりいいイメージをしようと思っても、なかなかできるものではないと思います。

そもそも人間には、勝手に悪いイメージをしてしまう能力が備わっていますので。

ミスした時に、そのイメージが頭から離れなくなるのも、その影響からだと思います。


人間の本能|なぜ悪いイメージが浮かぶのか

その昔、人間は狩りをして生活をしていました。

すると少し先に食料となるものがたくさん見えました。

しかしその横に猛獣がいることに気づきました。

さて、みなさんならこの時どうしますか?

まっしぐらに食料の元へ駆け込むでしょうか?

それとも猛獣がいなくなるのを待つなどの対応をするでしょうか?

もしここで猛獣を無視して食料をとりに行くと、むしろ自分が襲われて食べられてしまう可能性だってあります。

これこそが、私たち人間に備わっている「最悪をイメージする能力」そのものです。

生きるために、この能力が備わっているとも言えますね。


話を戻して|イメトレがうまくいかないと…

話が脱線しましたので戻します。

なかなかいいイメージができずに寝付けず、睡眠不足のまま試合に臨んでしまった。

なんてことにもなりかねません。

試合でいいパフォーマンスをしている自分をイメージするには、いくつか方法があります。


実践編①|リアルなイメージをつくる

スポーツ選手がイメトレをする場合、主に動画や写真を使ったりします。

なるべくリアルなイメージをするためです。

できれば、自分から見た景色と、自分を見ている第三者の視線のものがあるとなおいいでしょう。

主観的にも客観的にもみることで、視野が広くなります。

また、連続写真を使用して体の動かし方をイメージする方法もあります。

詳しくは、実際にサポートをさせていただくとわかるかと思います。


視点を変えて|あえて「最悪」をイメージする

ここからは少し発想を変えてお話しましょう。

スポーツアスリートの中で、イメージ通りにいかない結果に、必要以上に落ち込んでしまう方がいらっしゃいます。

私もその一人でもありますが。

そんな時に役立つ、プロボクサーで何度も世界タイトルを獲得している井上尚弥選手もやっているというトレーニングをご紹介いたします。

簡単にいうと、逆に最悪の状況をイメージしてみるというものです。

なんだか、いいトレーニングではなさそうな、と思った方もいるかと思います。


最悪を想定するメリット

このトレーニングのメリットは、

「実際に劣勢な立場になった時に焦らない」

「イメージしていた展開なので対応ができる」

というところです。

なんだかネガティブな発想のように感じますが、まったくそんなことはありません。


例え話|プリクラ現象

例えば、プリクラってご存知でしょうか?

あれは男女問わず顔が盛れてしまうわけで、初めて会う際の事前の情報がポジティブすぎると、実際会ってガクッとなってしまい、立ち直れなくなるわけです。

例えとしては相応しくないかも知れませんが。笑


バランスが大事|最悪ばかり考えなくていい

かといって、常に最悪のシチュエーションを考える必要もないと思っています。

そもそも一番大事なのはなんでしょうか???

「試合の状況に心を揺さぶられることなく、持ってる力を発揮すること」ですよね。

ちなみに私は、クヨクヨとしてしまうタイプなので、結構な割合で最悪のシチュエーションをイメージしてから、大きく落ち込むことは減りました。


スポーツ以外でも同じ話

これはスポーツに問いません。

いわゆるヤンキーも典型的なそのパターンじゃないかと思います。

第一印象が最悪で、付き合ってみたらめっちゃ優しいとか。

お年寄りに優しいとか。

よくある話だと思います。

いいイメージと悪いイメージの両方を取り入れるのも、力を発揮するひとつのヒントになり得るという話でした。


勘違いしてほしくないこと

常にポジティブなイメージをするのが正義ではないということ。

勘違いしないでいただきたいのは、

要するにイメージするのは「結果」であり、

パフォーマンスは「いいイメージ」をしてくださいということです。

悪いイメージをして、いいパフォーマンスなんてできませんので。

結果は、あくまでパフォーマンスのあとにやってくる、コントロールできないものですからね。


向いている人・向いていない人

切り替えが上手な方は、やらなくてもいいことかとは思います。

引きずって次のプレーに支障が出るとか、

モヤモヤしたまま試合が終わっちゃう、

なんてことになったことがある人は、一つの方法ですよ、という話です。

必要以上に落ち込んでしまう人は、

逆に最悪の結果をイメージするトレーニングで、

「落ち込みすぎ防止」をしていきましょう。


余談|もし私が指導者だったら

余談ですが。

もし私が指導者側で、選手に声をかけるとしたならば、試合前であれば、

「勝っても調子乗るなよ」

「ホームラン打ってもはしゃぐなよ」

など、あたかも勝ったり成功しているイメージを、勝手にしてしまうような声掛けをします。

これは、選手側とスタッフ側でも、考え方や準備の仕方、イメージの仕方、サポートの仕方は変わってきます。

あくまで参考ということで、頭の片隅にでもしまっておいていただければ幸いです。