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運動・トレーニングで大切なのは「適度な強度」と「継続する習慣」⑵

こんにちは。メンタルトレーナー × 理学療法士の国沢です。

前回は「運動・トレーニングで大切な継続する習慣」について書かせていただきました。

もしまだお読みでない方はこちらから→ https://mentaltraining-vipro.com/column/mentaltraining-0009/

「継続する習慣」を作るために3つの大切なことをお伝えしました。

ぜひ実行してみてください。

◎適度な運動強度〜有酸素運動〜

そして今回は運動・トレーニングをする上で「運動の適度な強度」についてお伝えさせていただきます。

これは「メンタルトレーナー」というよりは、「理学療法士」としての情報になります。

いくら「継続する習慣」ができたとしても、その運動強度が弱すぎれば、効果は認められにくいですし、

逆に高すぎる強度で継続してしまえば、ケガなどにつながる可能性が高くなります。

なので、運動強度には「適量」があります。

#運動だけではないと思いますが

よく「健康のためには、ウォーキングやジョギング、水泳やダンスなどの有酸素運動が良いです」と書かれた文章を目にします。

私はこの表現にいつも違和感を感じてしまいます。それは有酸素運動って何?ってことです。

「有酸素運動」という言葉をネットで検索してみました。

①「有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、エアロビクス、サイクリング、水泳など、長時間継続して行う運動を指します。」

↑これはあまり良くない表現かな。

②「有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことをいいます。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった、ある程度の時間をかけながら、少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。」

↑酸素を使う運動・少量から中程度の負荷は○。運動種目はちょっと。。

③「有酸素運動とは、軽~中程度の負荷を継続的にかける運動のことです。酸素を使って筋肉を動かすエネルギーである脂肪を燃焼させることから有酸素運動といいます。」

↑いい感じ○

④「有酸素運動とは、酸素を使って体内の糖質や脂質をエネルギー源とする、筋肉への負荷が軽い運動のことです。酸素を使用するためエネルギーの生成に時間はかかりますが、体内に糖や脂肪がある限り継続的にエネルギーを生み出すことができるので、長時間運動を続けることが可能です。」

↑OK!

私なんかが、ネットで書かれていることの批評をするのは立場違いではあるのですが、良くない表現を鵜呑みにしてしまっても良くないと思いますので。

つまり何が言いたいのかというと、

有酸素運動かどうかは、運動の種目では決まらないということです。

有酸素運動ができているかどうかを決めるは有酸素性の代謝ができているかどうかです。つまり、その人の体力次第です。

#声を大にして言いたい

#専門用語が多くてわかりにくい部分がありますが、Wikipediaが結構いい表現をしています。https://ja.wikipedia.org/wiki/有酸素運動

ジョギングを例にするとわかりやすので、ジョギングで解説します。

例えば「60歳の叔母様が健康のためにジョギングを始めよう」と言っています。

皆様なら、どうアドバイスしますか?

きっと答えは、「いいですね。頑張ってください」か「ジョギングよりもウォーキングから始めた方が良くないですか?」の2通りあるかと思います。

イメージした60歳の叔母様像によって変わってきているのかと思います。

普段から運動をしていそうな叔母様であればジョギングでもOKで、これまで運動をしたことがないような叔母様であればウォーキングからという感じになると思います。

その違いはその方の運動経験もあるかもしれませんが、無意識にその方の「体力」を考えているのだと思います。

つまり、

体力が高い方のジョギングは有酸素運動になるが、体力が低い方のジョギングは有酸素運動にはならずに辛い運動になってしまうとも言えます。

ではその体力の境界線はどこにあり、どのようなチェックをすれば確認できるのでしょうか?

◎体力評価〜WBI〜

「体力評価」の世界には、WBI(Weight Bearing Index)という指標があります。

WBIを医学的に評価する場合は、BiodexやCombitなどの高価な機器を使用するのですが、

#桁違いに高価

流石にBIODEXを使って測定するのはなかなか難しいので簡易的な測定方法があります。

“メディカルフィットネスViPro”では、mobie(膝伸展筋力測定器:酒井医療)という機器を使用し測定します。

#メディカルフィットネスViPro ホームページ:https://vipro2016.jp

一般的な簡易WBIテストとして、立ち上がりテストがあります。

この立ち上がりテストは台の高さによって、WBIの値が簡易的に測定することができます。

その結果が下記の表になります。

仮にジョギングの話で言えば、40cmの高さの台から片足で立ち上がれるかどうかが境界基準になります。

そのほかの種目のウォーキングやランニング、スポーツについても基準値がありますので、

その高さの台から片足で立ち上がれるかどうかをチェックしてみてください。

運動がどの程度の筋力で可能かどうかの判断はできたと思います。

しかしそれでも、有酸素運動ができているかどうかはまだ確定できません。

片足で40cmから立ち上がることができないのに、ジョギングをしようとするのは難しい話ですが、

では、40cmから立ち上がれた方がどのくらいジョギングできるのかというところになります。

◎有酸素運動の判断

・心拍数

その測定は、心拍数にて行います。

トレーニングの世界にはAT値(Anaerobic Threshold:無酸素性代謝閾値)という指標があります。

これは有酸素運動から無酸素運動へと切り替わる転換点を指します。

一般的に90~110拍、スポーツ選手でも90~120拍の間にAT値があると言われています。

つまり上記の心拍数程度で運動やトレーニングを行うことで、ギリギリ有酸素運動ができ健康のための「適量な強度」と言えます。

なんとなくお分かりいただけましたでしょうか?

けどでも、心拍数をどうやって測ればいいのでしょうか?というご質問に関しては、

最近はスマートウォッチというものが普及しているので、心拍数の測定できるスマートウォッチをしながら運動をするのが良いかと思います。

・自覚的な指標

それも少し難しいという方には、

有酸素運動となる自覚的な運動強度の指標がありますのでご参考にしてみてください。

  • 筋肉痛が起こらない
  • 疲れを感じない
  • 汗をかかない
  • 息があがらない
  • トレーニング後のきつさがない
  • 運動を継続したい気持ちになる

があります。

◎まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

2回にわたって、運動・トレーニングに大切な「適度な強度」と「継続する習慣」についてお伝えさせていただきました。

健康的な生活を送るためには、「健康な心」と「健康な身体」を欠かすことができません。

がんばることは良いことだと思いますが、がんばることは過度な負荷をかけることではないかと思います。

継続することをがんばる。そして、がんばってがんばりすぎないようにする。

リラックスして力を抜いて、前を向いて、やるべきことをやっていきましょう。