こんにちは。メンタルトレーナーの宇井野です。
今回は「今すぐできるモチベーションの管理」について書かせていただきます。
『モチベーション』とは。
普段生活している中で、
スポーツをしたことがある方に限らず、
多くの方が『モチベーション』という言葉を耳にしたことがあるのではないかと思います。
- なんだかやる気が起きないな。
- なんのためにこれをやっているのかな。
- なんとなくやっていることが楽しいかどうかわからなくなってきてしまった。
などなど、物事をやればやるほど、
このような感情に陥ってしまうことがある方はいらっしゃると思います。
かく言う私自身も、以前選手として活動していた時期にこのような経験をしたことがあります。
そもそも『モチベーション(=やる気)』とは感情のひとつです。
感情をコントロールするためには、
「行動を変えてみる」と言うのが、メンタルトレーニングにおいて大切なことになります。
そこに「意志の強さ」は関係ありません。
行動を少し変えてみると言うのがポイントになるかもしれません。
逆にモチベーションを無理矢理高めようとしても、高まってこないことが多いのでそこでさらに落胆してしまう可能性もあります。
まずは少しだけ、行動を変えてみましょう。
【モチベーションを高めるための行動(例)】
- 最近楽しかった行動
- 過去にやって良かった行動
- 考えすぎない行動(漫画を読む・映画を見る・散歩をする・など)
- 何もしない行動(空を眺める・半身浴をする・など)
- ポジティブな行動(歌う・スキップする・出かける・など)
- 環境を変える行動
しかし、少しずつ行動を変えていったとしても
今日は調子が100%で絶好調!という日はそう滅多にありません。
普通くらいか50~60%という時の方が多いかと思います。
例えば、スポーツにおいて試合前などに調子が70%くらいだったとします。
多くの選手は調子が70%では全然足りないと感じ、
80%・90%を求めてどんどん練習量を増やしてしまい、疲労を溜めて、
余計に調子を崩してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
特に大事な試合の前などは、普段にも増して神経を使うと思います。
思い通りのプレーができなことに不安を感じ、練習量を増やし、疲労を溜め、
結果的に悪循環に陥った状態で本番を迎えてしまうことになります。
なるべく不安を拭い去り、ベストな状態で本番を迎えようと思ってのことなので、その気持ちはわからなくもありません。(経験談)
そんな選手はメンタルトレーニングを積み重ねることで、自分の現状や調子を客観的にみることができるようになります。ぜひ一度ご相談ください。
そこでひとつ方法をご紹介します。
大切なのは「70%の調子の現状で何ができるのか?」と自分自身に問いかけることです。
なんだそんなことかと、お考えになる方もいらっしゃると思いますが、
冷静に自分自身をみることができずに、このような思考ができない選手が意外と多くいらっしゃいます。
例えば、
練習量を減らして、毎回のルーティンを入れて練習をすることは練習の質を高める良い方法です。
この「ルーティン」は試合などの本番のプランを考える上でも非常に役に立ちます。
メジャーリーガーのダルビッシュ有選手は
「調子の悪い時にこそ、試合を作ることができてはじめてプロとして生き残れる」と言っています。
試合前は調子が良くなかったのに、シンプルな行動目標を立ててプレーをしたところ
良い結果や目標達成に繋がったということも良く聞かれます。
調子が今ひとつの時はむやみに調子を上げようとしないで
「今の調子でできることとできないこと」を考えて臨むのも1つの有効な方法ではないかと思います。
ここからは少し別の角度から『モチベーション』について考えていきます。
『モチベーション』には大きく分けて2種類あると言われています。
「内発的モチベーション」と
「外発的モチベーション」です。
「内発的モチベーション」とは
その物事をすること自体が目的で心から好きで楽しいという理由でやっていることそのものにやる気を求めることを言います。
- 好き・楽しい
- 自分で考えて決めたことや選んだことをしたい
- その運動の面白さや楽しさを味わいたい
- 今の自分のベストを尽くしたい
- 新しい方法や難しいことにチャレンジしてやり通したい
- より上手くなりたい
などのようなことです。
「外発的モチベーション」とは
経済的報酬や名声、権力などスポーツをするうえで外側からの報酬を得ようとするやる気を言います。
- お金を稼いで裕福になりたい
- 有名になりたい・注目されたい
- 仲間と親しくなって協力して運動したい
- 他人よりも上手くなりたい
などのことです。
では一体どちらの方が良い『モチベーション』なのでしょうか。
答えとしては、
あなたの年齢や置かれている状況、人生や競技に関する考え方、実力など
その時の状態によって『モチベーション』の種類は変化していくものなのでどちらも重要です。
大切なのはその時の『モチベーション』に従って行動するということです。
不調からの脱出には「内発的モチベーション」が効果的とされています。
楽しい・好き・情熱などの「内発的モチベーション」が『モチベーション』を強め
試合をする楽しみを増加させます。
またパフォーマンス向上の要因はこの「内発的モチベーション」に支えられているとの報告もあります。
逆に調子の良い時は「外発的モチベーション」が効果的とされています。
調子の良い時に慎重になりすぎると守りに入ってしまい実力を発揮しきれない場合があります。
調子の良い時は勝つ可能性が高くなりますので、
勝利によって得られる報酬を『モチベーション』にすることで更なる勝利につながるかもしれません。
終わりに
ここまで『モチベーション』について様々な角度からお話をしてきました。
もうお気づきかと思いますが、このようなメンタルトレーニングなどは
自分自身がどのように考えているのか、どのような気持ちでやっているかで全く効果が変わってきます。
いざという時の自分自身の頼りになるようなメンタルトレーニングをしていきましょう。