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【心(メンタル)と体(フィジカル)のストレスコントロール】

○心(メンタル)と体(フィジカル)

昔から「心と体」は繋がっているとは言われますが、どのような繋がりがあるのでしょうか?

心が体に影響を与えるという二元論的な考え方や、心身一如と言われるような一元論的な考え方もあります。

ここではこれらの詳しい説明は割愛しますが、心と体の相互関係は強力で、お互いに影響を及ぼし合うということは確かです。

心理的ストレスや喜怒哀楽といった情動が体の調節に影響を与え、様々な身体反応が生じる現象を「心身相関」と言います。

「病は気から」と言われることわざも、納得できる方が多いのではないでしょうか?

普段、体は自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスのよって微妙に調節されています。

しかし何らかのストレスによってこのバランスが崩れると体の調子も崩れていきます。

例えば、ストレスがあることで不安な状態になり、自律神経系の調節によってアドレナリンなどのホルモンが過剰に分泌されてしまいます。

その結果、心拍数の増加・血圧の亢進・発汗量の増加・筋肉の緊張・首や背中の痛み・頭痛などが体の症状として表れています。

さらにその状態が長く続くことによって、高血圧や動脈硬化などの病気に繋がってしまう可能性もあるわけです。

例えばこのような方を治療するのであれば、痛み止めの薬や血圧を下げるための薬などを使用すると思います。

それ自体は悪いことではないのですが、根本的な部分まで辿っていくと、やるべきことはストレスの解消や不安な状況を取り除いてあげることかと思います。

これから記載するストレスコントロールや不安に対するメンタルトレーニングをすることで心が強くなり体のバランスも整ってくるはずです。

また健康的なライフスタイルを維持することで、精神的な辛さを乗り越える助けにもなります。(←これが本当の根本ですね)

○ストレスコントロールとは

まず日常的に起こっているストレスに対してよく皆様がしてしまっている事として、

①ひたすら耐える(我慢する)
②時間が経つのを待つ
③ストレスを回避する

という状況があると思います。実はこれは苦しいだけであまり解決にはなっていません。

ストレスコントロールとは、耐えるのではなくて、コントロールをするのです。

ストレスを受け止めすぎず、柔軟にかわし、「どうすれば良いか」という対処法や前向きに考えていくことが大切です。

またそのストレスが、「コントロールすべきストレス」なのか「回避すべきストレス」なのかを判断しなければなりません。

「回避すべきストレス」に向かってコントロールしようとしても自分の力ではどうしようもないことなので、余計にストレスになってしまいます。

ストレスの原因になるものを「ストレッサー」と言います。

そのストレッサーには「外的ストレッサー」と「内的ストレッサー」の2種類があります。

簡単に言えば、「回避すべきストレス」が「外的ストレッサー」で、寒暖の変化や騒音、高低音による刺激など(物理的ストレッサー)と経済状況の悪化、人間関係など(社会的ストレッサー)がこれに当たります。

逆に「コントロールすべきストレス」が「内的ストレッサー」です。これは、緊張、不安、悩み、焦り、寂しさ、怒り、憎しみなど(心理的情緒的ストレッサー)と疲労、不眠、健康障害、感染など(生理的身体的ストレッサー)がこれにあたります。

ではこの「コントロールすべきストレス」に対してどのようにコントロールするのが良いかを解説していきます。

○心(メンタル)のストレスコントロール

①「ストレス」に対する解釈を変える。

「ストレス」という言葉に良い印象を持っている方はほとんどいないと思いますが、「ストレス」とは悪いことばかりではなく解釈の仕方次第では良いこととして捉えることができます。また「ストレス」はもちろんありすぎても良くないが、無さすぎてもパフォーマンスが落ちるとも言われています。つまり「ストレス」は悪いことばかりではなく、適度なストレスは生活にとって必要なものなのです。「ストレス」は『人生のスパイス』とも言われたりします。

例えば仕事などでも、良い意味でのプレッシャーがあることでモチベーションを高めることができたり、気持ちに張りをもたらしてくれたりもします。なので「ストレス」が「達成感・満足感・充実感・使命感・ワクワク感」などのきっかけになったりもします。

【ストレスに対する間違った常識】

⑴ストレスはよくない。できるだけ避けるべきだ。

⑵ストレスがなくなれば幸せになれる。

⑶ストレスは健康に悪い。

⑷ストレスが少ないほど生産性が上がる。

⑸ストレスをうまく処理できなければ出世コースから脱落する。

⑹ストレスに強いかどうかは生まれつきの問題だ。

⑺ストレスが大きいほど不幸になっていく。

⑻歳をとるほどストレスを避けるようにした方が良い。

⑼ずっとストレスにさらされていると、身も心もボロボロになる。

⑽ストレスの大きさは自分の身にどれだけ悪いことが起きたかで決まる。

これらは「ストレス」に対する間違った常識であると、Dr.James E.Loehr博士は言っています。

「ストレス」とは、人が成長するために欠かせないものであり、もっともストレスを受けた部分が成長し、ストレスに対してどう反応するかで決まってくると言われています。

つまり「ストレス」とは悪いものと捉えるのではなく、自分のためになると解釈できると良いかもしれません。

②自律神経機能の向上

自律神経機能についての詳細な説明は今後コラムにて書いていく予定ですので、そちらをご参照ください。

簡単にいうと自律神経とは、内臓や血管などのはたらきを24時間、休まず自動的に調整してくれるシステムです。その自動的なシステムは、交感神経と副交感神経がバランスよくはたらくことによって成り立ちます。自律神経が乱れると、不安や緊張感が高まり、吐き気や多汗、全身のだるさ、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠など、さまざまな症状が見られることがあります。 これらの症状は人によって大きく異なりますし、自律神経がバランスを崩すと、臓器にも悪影響を及ぼします。

自律神経機能の向上とは、自律神経を整えることによって起きている症状の改善や「ストレス」に対する高めていくためのものです。

これは実際に私が、メンタルトレーナーとして活動する前に現場で使っていたトレーニング方法になります。

自律神経は、心臓の機能と密接な関係にあることから、心臓の機能を高めることで運動耐容能が高まり、その結果、自律神経機能が向上するという仕組みです。

ではどのように心臓の機能を高めて運動耐容能を高めていくのか?

運動には有酸素運動と無酸素運動というのがあります。自律神経機能を高めていくためには、「ギリギリ有酸素運動になる」という負荷をかけていきます。

無酸素運動をしてしまっては、交感神経の活動が活発になってしまい、メンタル的に自律神経が乱れた状態と同じ状態を作ってしまいます。

それがどのくらいの負荷になるかというと、正確に測るためには数値が必要になり、エルゴメーターやトレッドミルなどの心拍数と運動負荷が表示されるものが相応しいです。

数値だけで言えば、最大筋力の35~45% Maximum Voluntary Contraction(%MVC)。心拍数は90~110拍/分になります。

例えば、心拍数100拍/分で25Wのトレーニングをしていた方が、心拍数100拍/分で50Wのトレーニングができるようになったとしたら、有酸素運動能力が向上したと判断でき、運動耐容能が高まったと言えます。

しかしこの指標ではなかなか一般的に測定するのは難しいです。そこで

【簡易的運動指標】

①筋肉痛が起こらない。

②疲れを感じない。

③汗をかかない。

④息があがらない。

⑤トレーニング後のきつさがない。

⑥運動を継続したい気持ちになる。

これらの自覚的な運動強度の指標でトレーニングをしていくと、運動耐容能が高まり、その結果自律神経機能が高まっていきます。

そしてそれがストレスコントロールにもつながっていきます。

③メンタルトレーニング・呼吸法

心のストレスコントロールをしていく中でもっとも欠かすことができないのが、「メンタルトレーニング」です。

具体的なメンタルトレーニング方法としては、「目標設定法」「感情のコントロール」「自信の作り方」「自己肯定感の高め方」「不安や緊張・プレッシャー克服法」「ストレスマネジメント」「習慣の作り方」「やる気の高め方」「コミュニケーション法」など、様々あります。

今回は「心と体」ということで「呼吸法」をひとつお伝えします。

呼吸は普段から自然に行っているものでもあり、意識的にコントロールすることもできるものです。

呼吸を通して自律神経系・メンタルをコントロールすることができます。

速い呼吸をすると、呼吸に関係する脳の扁桃体が興奮してきます。

すると自律神経系の交感神経を通じて、心拍数の上昇や血管の収縮が起こります。

その結果、血流が悪くなりコリや冷え症の原因となると考えられています。

反対にゆっくりした呼吸をすると扁桃体が落ち着いてきます。

すると自律神経系の副交感神経を通じて、心拍数の低下や血管の拡張が起こります。

その結果、血流がよくなりコリや冷え症が解消すると考えられるのです。

脳の扁桃体(ヘントウタイ)は、怒りや恐怖という感情などもつかさどっています。

怒りや恐怖を感じている時は、扁桃体を興奮させ呼吸を速くしていきます。その逆も然り。

気分が落ち着いている時などは扁桃体は鎮静していて、呼吸もゆっくりしています。

生理学

つまり、意識的にコントロールできる呼吸を通じて、その速さで扁桃体のコントロールができるということになります。

おおよそストレスを感じている時は、交感神経優位の状態で呼吸は速く浅くなっていることが多いです。

それを改善するためには、ゆっくりとした深い呼吸をすると、ストレスコントロールができるようになります。

通常の呼吸数は16回/分ですので、これよりも少ない呼吸数をまずは目指していただけると良いと思います。

○体(フィジカル)のストレスコントール

下記にメディカルフィットネスViPro-ヴィプロ-で投稿した、体の柔軟性・体力についての記事を添付します。

ぜひご一読ください。

①体の柔軟性を高める

「柔らかい体作り」のコツ

②体力を高める

『体力、足りてますか?』

○まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

体についても、心についても、ストレスをコントロールすることは充実した生活を送るためには欠かすことはできません。

「ストレスをストレスと感じない心と体作り」がテーマですので、少しでも「ストレス」に関する意識が変わり、気持ちが楽になっていただけると幸いです。