「外側と内側」のバランス──行動が変わるとチームが変わる理由

メンタルトレーナーの宇井野です。

目の前の人(他人)を変えるにはどうしたらいいですか??

【チームスポーツと「他人」としてのチームメイト】

スポーツ、特に団体スポーツといわれるものには必ずといっていいほど語られるのがチームワークです。

チームメイトといえど他人といえば他人。
高校生であれば3年間、大学生であれば4年間チームメイトとして、目標(勝利)のために協力する必要があります。

言い方は悪いですが、「そんな他人を変えるにはどうしたらいいですか?」というご質問をいただいたことがあります。

このような悩みは、特にチームのキャプテンなど責任感の強い方がお持ちなのかなと思います。

【本当に他人は変えられるのか?という問い】

一度考えてみて欲しいのですが、

例えば、話を聞いてくれない人をどうにか話を聞いてもらえるように変えたいと思ったら、どうにかして変えられますか??

ほかにも何でもいいです、ご自身でイメージしやすいもので考えてみてください。

好きな人が自分のことを好きになってくれるように変えることは出来ますか?

もしそのようなことができるなら、逆に教えてほしいなと思います。

【結論:変えられるのは「他人」ではなく「自分」】

基本的に私は他人は変えられないと思っています。

もし変えられるとしたなら、まず自分が変わるしかないと思っています。

とある研究がなされたので、ご参考までにご紹介します。

【インゲルマン効果という心理学研究】

運動会の人気種目である綱引き。
この綱引きを題材とした心理学の研究で、興味深いものがあります。

フランスの社会心理学者であるインゲルマン氏が発表した「インゲルマン効果(綱引き効果)」と呼ばれる理論があります。

この理論は、綱を引く人数とひとり当たりの「引く力」を調べたものなのですが、綱をひとりで引く時の力を100%だとします。

すると、人数がふたりになると100%が93%に、3人だと85%に、8人ではなんと49%に力が落ちるという結果が出たのです。

【「誰かがやるだろう」の心理と手抜き】

この結果からわかるのは、人は無意識のうちに手抜きをするということ。

集団になればなるほど「誰かがやるだろう」という心理が働き、手抜きが起こるということです。

街中で誰かが倒れていたとして、周囲に誰もいなければすぐに助けようとしますが、周りにたくさんの人がいると、誰も助けようとしないということが起こります。

「誰かがするだろう」という依存が生まれ、結局誰も行動しないという状況が起きやすいのです。

【大きなチームワークを生むために必要なこと】

集団で何かをする場合、「誰かがするだろう」ではなく、自分がやりたいこと、チームとしてやらなければいけないことに重点を置かなければ、大きなチームワークという円は描けないということです。

プロ野球界の人材育成のシステムでは、「どこに重点を置くか」の教育が徹底されているそうです。

一人ひとりの個性という円が、幾重にも重なって大きなチームワークの円となり、サボりも手抜きもなく自主トレをし、それが結果としてチームの総合力アップにつながっていきます。

個人としての努力と組織としての役割分担は非常に大切なことで、勉強にも仕事にもスポーツにも生かせる話だと思います。

ぜひこのインゲルマン効果を覚えておいてください。

【振り返り:自分にできることを見つめる】

また、この話を聞いた後で、実際に「自分ができること」は何なのか。
イメージできているでしょうか?

簡単に振り返ると、

  • 他人を変えることはできないということ
  • 自分は変えられるということ
  • 人は無意識のうちに手抜きをする生き物であるということ

これを念頭に置き、まずは自分自身が変わる必要があります。

なんでもいいです。
先ほどの理論でキーワードにもなっていました「どこに重点を置くか」です。

いうならば他人であれ自分であれ、基本的には楽をしたい(手を抜きたい)わけです。
それを自主的に心を鬼にして取り組むには、相当な根性と体力、労力がかかるわけです。

【一人では変われないからこそ、支え合う】

また、人は一人では生きていけない生き物だと思っています。

自分が変わる決意をしたならば、まずは話を聞いてくれそうな人から協力を依頼すればいいと思います。

もしいないのなら、私たちメンタルトレーナーがおります。

「頑張りたい、でも頑張れない」。
そんな時はぜひ頼っていただければと思います。

【もうひとつの物語:「一歩を越える勇気」】

最後におひとつお話を紹介させていただきます。

登山家でアルピニストの栗城史多さんが書いた『一歩を越える勇気』という著書があります。

彼の夢は、「エベレストに単独無酸素登頂し、世界一高いところからインターネット放送をすること」です。

北米最高峰のマッキンリー(6194m)は入山料1万8000円、世界最高峰のエベレスト(8848m)になると入山料は100万円もかかるそうです。

その入山料を稼ぐためにアルバイトやスポンサー回りをして、資金を貯めるごとに登山に挑戦し続けています。

栗城さんは、かつてひきこもり、いじめられっ子、ニートだったそうです。
そしてある日、彼は “成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと” だと気づいたそうです。
そこから夢への挑戦が始まりました。

【彼を支えた言葉と母のメッセージ】

そんな彼を救ってくれたという言葉がいくつかあるそうです。

幼い頃、いじめを受けていた時、あるひとりの子が「君をいつも見ているよ。大丈夫、君のことを理解しているからね」と言ったそうです。
その言葉により「自分はひとりじゃない。自分のことを思い、気遣ってくれる人がいる。そういう人が自分の周りにひとりでもいればやっていける」と確信したそうです。

また、彼が17歳の時、母親が肺がんで亡くなりました。
亡くなる直前、母親は病床で彼に「一生懸命生きてね。弱音を吐かないでね。そして、最後にありがとうと言える人生を送ってね」と伝えたそうです。

そこから彼は涙ながらに一念発起したそうです。

【挑戦し続けた生き様とその結末】

栗城さんは2004年にマッキンリーの単独登頂に成功以来、7大陸最高峰のうちエベレストを除く6つの登頂を成し遂げ、凍傷で指を9本失いながらもエベレストに合計8度挑戦しました。

しかしながら、2018年に登頂を目指している途中で滑落し、帰らぬ人となってしまいました。

残念ながら栗城さんは35歳でお亡くなりになってしまいましたが、彼の挑戦し続けるスピリットは今も多くの人に影響を与えています。

【人はつながりの中で生きる】

人間は、人と人とがつながるところでしか生きていけません。

彼の生き様を振り返ると、執着しない心、人を思いやる心、すべてを受け入れる心、ありがとうと素直に感謝できる心、自分の頂点はどこなのか、といったことを考えさせられます。

みなさんも『一歩を越える勇気』を自分に置き換え、じっくり考えてみる機会にしてみてください。


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